演技の技術

【演技力が上達】リアルな演技をするために大切な「間」について考える

おんなの

どうやったら、自分の演技力が上達するのか?

どうやったら、演技が嘘くさくなくて、リアルにみえるのか?

どうやったら、観客の心をつかむ演技ができるのか?

 

この3つの疑問に対する答えは

【間】

です。

 

お芝居を観に劇場に行って、演技を観ていて

「あれ?なんか、この芝居つまんない」

と感じることがないですか?

そのつまらない原因は、【間が悪い】からです。

”【間】が悪い"と

笑えないし、人がきちんと会話しているようにみえません。

 

そこで、この記事では【間】について考えていこうと思います。

 

この記事では

  • 【間】とはどういうものか?
  • 【間】が悪いとなぜだめなのか?
  • 【間】をコントロールする方法

が分かります

 

✅自己紹介

  • 18年役者をやっている。
  • 現在劇団に所属。
  • 過去に芸能事務所に在籍経験あり。
  • オーディションを受けた経験多数あり。
  • オーディション合格経験あり。
  • 大衆演劇の経験あり。
  • 映画や映像作品の鑑賞本数は、500本以上
  • 現在英会話の独学で勉強中(8カ月継続中)

 

【演技力が上達!】リアルな演技をするために①【間】とはどういうものなのか?

ステージに立つ女性

【間】がどんなものなのか?

その答えが一番わかりやすいのは、お笑い芸人さんのネタや落語家さんの噺を聞くとすぐわかります。

とくに落語を聞いてみると、この【間】というモノを巧みに操っていることを感じることが出来るでしょう。

落語をあまり聞いたことがない人は、図書館に行くべきです。

落語のCDがたくさんレンタルされているので、探して聴いてみることをおすすめします。

【間】について、とても勉強になるはずです。

 

実は役者さんで落語をやっている人がちらほらいるのは、【間】の技術を身に付けるのにはもってこいの教材だからです。

 

落語を聞くなら個人的におすすめなのが、『古今亭志ん朝』さんと『立川談志』さんの落語です。

二人の落語はちょっと雰囲気が違いますが、特に志ん朝さんのはとても聞きやすくて、音源だけなのに笑えます。ものすごい技術です。

また人情噺においては立川談志さんの『芝浜』は最高です。音源だけで涙が出たのは初めてでした

また、リアルな演技において、普段人が生活しているうえでの”会話の【間】”を取り入れることをおすすめします。

リアルな会話の間は、お笑いの【間】とは少し違くて、意図していない【間】です。

 

リアルな会話において【間】が生まれる理由は様々です。

  • 話していながら次何を話そうかを考えている。
  • 何かを急に思い出す。
  • 話している間に自分の言っていることが間違っていることに気づく。
  • かゆくなったり、くしゃみをしたり、トイレに行きたくなる生理現象
  • 相手に見とれる。
  • あきる。

上げればきりがないのですが、簡単にまとめると、それらの【間】は誰にも自分にも『予想がつかない』ということではないでしょうか。

 

もしあなたが、この予想がつかない【間】を演技で取り入れることが出来たら、グッとあなたの演技がリアリティのあるものに近づくはずです。

 

ではなぜ【間】が悪いとダメなのでしょうか?

 

【演技力が上達!】リアルな演技をするために②「間」が悪いとなぜダメなのか?

次のような長セリフがあったとします。

「この通りを真っ直ぐいくと、右にコンビニがあってさ。そのコンビニの店長ってのが俺のおじさんなんだけど、今人手が足りなくて、手伝ってくれって頼まれたのよ。で、しょうがないからその日手伝いにいったら、その日の夜、覆面をかぶった二人組の男が入ってきて、金を出せって言うの。もう俺怖くて怖くて、おしっこちびりそうになったけど、我慢したらうんこ漏らしちゃた。っていう夢を見んだ。」

…ひどいセリフだ(-_-;)

大抵このような長セリフを読むと「、」 のところで【間】を空けると思いますが、なぜかその「、」で空ける「間」の長さが一定になってしまう役者さんがいます。

更に困ったことに”次のセリフ(この長台詞の後のセリフの事ね)を言う役者さんも同じ【間】で話す”という現象が起こったりします。

 

そして怖いことに、この同じ【間】で話していることを、役者さん本人は実感していないことが多いのです。

 

なぜ同じ【間】だといけないのか?

 

この"同じ間合いの会話"がダメな理由は、”リアルの世界ではありえない事”はもちろんなのだが、一番の問題は観客側が飽きてしまうところです。

 

同じセリフを、同じ【間】で言った場合と、異なる【間】で言った場いいと聞き比べるとすぐにわかります。

一定の【間】でいうセリフのつまらなさにびっくりすると思います。

 

また、人って”同じ【間】”では絶対に話をしていないんです。

だから"同じ間合いの会話"は嘘っぽく、完全にセリフを言っているように聞こえます。

 

ではどうすれば同じ間合いで話さないようにできるのでしょうか?

 

【演技力が上達!】リアルな演技をするために③【間】を変える方法

【間】を変える方法は2通りあります

【間】を変える方法①台本に書かれているセリフ内の「、」や「。」を無視する

一番簡単な方法は

『台本に書かれているセリフの中にある「、」や「。」を無視する』です。

 

そもそも台本に書かれている「書き言葉」と日常で我々が話している「話し言葉」は違うモノなんです。

台本に書かれている「書き言葉=セリフ」は脚本家が演者さんに解かりやすく伝える為に読みやすさや伝わりやすさを優先するために”読みやすさ”つまり「見た目」が大事です。

「、」や「。」などがないと、読みづらいですよね。

「、」を付ける位置で、セリフの意味合いが変わってきてしまうこともあります。

そもそも脚本は、役者さんが【読む】ものなので、書かれている内容を役者さんに伝えなくてはなりません。

だから「、」や「。」を付けるのです。

 

では「話し言葉」はどうでしょう

「話し言葉」は、会話をよく聞いてみる解かると思いますが、"妙な間"が空くし、えーとか、ノッキングしたりします。

そして、そもそも「、」や「。」は存在しません。

それは、語り手が考えながら話しているからです。

明美
えーでもーじゃあ、話し好きな人のマシンガントークは?「間」無いじゃん

よく聞いてみるとわかりますが、マシンガントークの人も間合いは一定ではありません。

妙なタイミングで「間」を空けたり、逆に「間」が無かったりします。

つまり芝居や映画の台本というのは、役者に伝えたい内容が脚本家とずれないように「話し言葉」を「書き言葉」に変換しているモノなのです。

 

だから、セリフを言うときは「、」を無視して、自分の好きなところに「間」を空けたり「間」の"長さ"を変えたりすると、人が”話している”ように聞こえます。

【間】を変える方法②無理やり変える

何じゃそりゃ!

って思うかもしれませんが、本気で言っています。

実際に舞台の稽古を観ていたよく遭遇する場面があります。

それは、役者さんが【間】を変えることにとても苦戦しているという場面です。

 

 

  • その原因として考えられるのは、今まで演じてきたセリフの間合いを体で覚えてしまっている
  • 自分で家で練習してきたセリフの間合いが同じでそれを何度も繰り返して言いまくったから

なのかな?

こころあたりありませんか?

この凝り固まったセリフの間を修正するのはとても難しいです。

 

でももしそうなったしまったら、その染みついた【間】はもう強引に変えるしかないのです。

 

強引に【間】をかえて、いつもと違う(練習と違う)【間】でセリフを言うと、次の言葉が出てこなくなったりします。

でも実はその言葉が出てこない瞬間が観ている側は、「面白い」と感じていたりするんです。

実際に稽古中にワザと強引に【間】を変えている時があります。

ほんと無理やりです。全く意味がありません。だってその【間】を変えていることに大して意味なんてありません。

意味があるとすれば”【間】を変える”事が目的だから、です。


そうするととても面白い現象が起こります。

 

演技が変わるんです。

その理由としては、気持ちがブレるからでしょう。心が動揺するんです。

演技を変えるのに参考になる作品があります。

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本来は強引にではなく、”気が付いたら「間」が空いちゃった”くらいの感覚のほうがいいと思います。

ようは、観ているお客さん側に”その役がセリフを言っているように”感じさせなければいいんです。

【演技力が上達!】リアルな演技をするために:まとめ

【間】が大切な事が分かっていただけたと思います。

もしあなたが、同じ【間】でセリフを言っていることに気づいたり、指摘されたりしたら、

  • 「、」や「。」は基本無視しましょう。
  • そして、強引に【間】を開けたり、逆に縮めたり、無くしたりするのもありです。

 

一度実践してみてはいかがでしょうか?

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