もしあなたが、”上手な演技””自然な演技”を目指しているのなら、今すぐセリフに感情を乗せようとするのは止めましょう
作品に登場するキャラクターには当然、喜怒哀楽という感情が出てきます。
もちろんそれは生きていれば生まれてくる感情です。
そこで、いい演技をしようと、お客さんを感動させようと、演じる役の思いをセリフに乗せようとしていませんか?
それは今すぐに辞めましょう。
その理由を説明していきたいと思います。
基本的に、セリフに感情をのせようとするのはやめましょう。
なぜセリフに感情を乗せてはいけないのか?
それは、セリフに感情をのせようとすると、あなたの演技がものすごく嘘くさい演技になります
「あの役者さん演技を一生懸命頑張ってるなぁー」とは思われるかもしれません。
しかし観客からしてみたら、役者の頑張りを観たいわけではないのです。
たまに「芝居は面白くないけど、自分は頑張っているので」っていう人いるけど、ちょっと主旨がずれています。
それを言われて喜ぶのは、あなたの身内だけです。
喜ぶけど、美味いとは思っていないかもしれませんけどね。
役者とは、頑張って演じている事をお客さんに観せるのが仕事ではありません。
役者は観客を物語に集中させる、引き込むのが仕事です。
なので頑張って演じてもクドイだけです。はっきり言ってそのあなたの頑張りは観ているお客さんには相当邪魔です。
そして、そうやって頑張っているあなたは、ものすごく演技が下手くそにみえてしまうでしょう。
現実(リアル)の世界においての人間の行動を知る
現実(リアル)の世界では、人間は言葉に感情をのせて話そうとはしません。
日常において、あなたが怒っている時に、わざわざその怒りを全開にして、あなたの発する言葉にその怒りを乗せに乗せて話すことはしないと思います。
どちらかというと、その怒りを悟られないように装うのがふつうではありませんか?
人ってどちらかというと、あまり感情を出さないように、のせないようにしますよね。
特に日本人だとその傾向が強いように感じます。
それは社会生活を送っていくうえで、感情をあまり出さないほうがスムーズですよね。
また怒りとか、悲しみとか、イライラしてるとか、トイレを我慢してるとか、ほかの人に分かりやすく感情を出さないように勤めるもっと根本的な理由はかんたんです。それは
恥ずかしいから。
日本人は恥ずかしがり屋さんが多いから特にそうでしょう。
その事を理解していないわけではないと思うのですが、
いざ役を演じる時に感情をのせてセリフを言ってしまうのは、なぜでしょうか?
それはあなたが、説明型の演技を求められているからなんです。
演出家や監督から求められるからです。
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よくテレビとかで感情を表現するレッスンとか、見たことあると思いますが、
あれはどうなんでしょうかね?
あんなこと、日常生活でやったら、確実に白い目で見られます。
そういう人たまに見かけますよね?駅員に怒鳴ったりとかする人。
あの状態を舞台や映像作品で常にマックスで披露している状況なんです。
しかも家庭の家族団らんの設定で感情むき出し。
白い目で観られてもしかたないですよね?
そもそあの感情表現のレッスンはどの演技で使うのでしょうか?
そもそも一人で感情を出させようという状況が不自然なんです。
感情は引き出すものではなくて生まれるものなのに。
あんなの止めたらいいのに。
二人で会話させたほうがよっぽど練習になるのに。
では、無感情でセリフをいうのかというと、そうじゃなくて、感情が乗っちゃったという表現の方がただしいです。
" 乗せるの"ではなく、"乗っちゃた。"
人は感情をコントロールしようとするが、それが難しいのです。
コントロールしようとして、できないから、だから乗っちゃったです。
リアルにおいて、感情がコントロールできたら、見た目は平坦になります。
演技においては、感情が生まれるのを待ちましょう。
そして生まれた感情はコントロールは利かせない方が、お客さんに響きます。
その生まれた感情は整理しないほうがいいです。
演技に利用したほうがいいです。
つまり、説明型の演技は、
リアルとは全く逆の事をやろうとしている訳です。
感情を無理やり引き出して、更にその感情を演技やセリフに全力で大げさにのせようとしている訳です。
だからアニメを見ているような、感覚になってしまうわけです。
言っておきますが、アニメが悪いわけではないです。
わたしもアニメは大好きですから!
感情はつくるのではなくて生まれるもの。
感情はコントロールするのではなくて、演技に利用するもの。
皆さん、今やっているセリフに感情を乗せるようと頑張るのはやめましょう。
そして”感情を事前に用意する”のもやめましょう。