「○○さんのように演じて」と演出されたり
「役者の○○さんのように演じたい」と考えたり
なんて人は多いのではないでしょうか。
そんな時あなたならどうしますか?
もしも、あなたがリアルな演技を目指そうとしている役者さんなら、
- どこかで見たことある演技のマネ
- 他の役者さんの演技のマネ
は絶対にやめましょう。
確かに素晴らしい役者さんの演技を観たら、あこがれる気持ちは十分に分かります。
それでもあえて言います、マネをするのは止めましょう。
なぜか?
その理由について解説していこうと思います。
リアルな演技を目指すなら役者さんの演技をマネしてはいけないワケ
- オリジナルではなくなるから
- シーンに合っていないから
- 新鮮ではなくなるから
- 下手糞に見えるから
Contents
リアルな演技を目指すなら、あこがれの役者さんの演技をマネをするなかれ
あこがれる役者さんの演技をマネするのは止めましょう。
ここでいうマネは『コピー』の事です。
なぜマネ(コピー)をしてはいけないのでしょうか?
理由は3つ
- あなたのオリジナルでなくなるから
- シーンに合っていないから
- 新鮮でなくなるから
それぞれ解説していきます。
1、あなたのオリジナルでなくなるから
先ずそのマネをしようとしている演技は、あなたのあこがれる役者さんが生み出した演技です。
それをあなたが忠実にマネ(コピー)できたとしても、その演技の内面までもコピーはできません。
内面のない演技はリアルさを失います。
その演技はただのモノマネと一緒です。
型にはまった演技は、感情が偽物の事が多いのです。
その為、お客さんにその演技が嘘であることがばれてしまいます。
ただ、もしも万が一仮に内面も忠実に再現することが出来たとしましょう。
でもその演技にどれだけの価値がありますか?
だってすでに同じ演技ができるオリジナルの役者さんがいるのです。
世の中に同じ演技は二つ要りません。
同じ演技ができる役者さんも二人要りません。
いい例として、モノマネ番組を見てみればわかると思います。
どんなに本人に似せていても、本人は超えることはできません。
超えられるとしたら、物まね芸人さんによる味付けが必要になります。
コロッケさんとかミラクルひかるさんとか
彼らは本人ではなくて、もうほぼオリジナルに近いと思います。
つまり、演技においても同じで、その役者さんのオリジナルの演技に近づく事ができても、超えることは不可能。
そして超えるためには、あなたなりの味付けが必要になるわけです。
ただ歌のモノマネと演技のモノマネが決定的に違うところがあります。
つまり、演技のモノマネをコピーするなら、自分だけではなく相手の役者さんもコピーしてもらわないといけないという事です。
2、シーンに合っていないから
演技というのは基本、
- 同じシチュエーション
- 同じ環境
- 同じ役者さん
- 同じタイミング
でないと同じ演技をしてもそのシーンは成立しません。
簡単に言うと、演技では全く同じことを再現することはほぼ不可能だという事です。
これは、オリジナルである本人がまた同じシーンを演じる時にも言えることです。
それにあなたが置かれているシチュエーションが、あなたが憧れる演技をされているシーンと全く違うので、同じことはできません。
そもそも相手やシチュエーションが違うのであれば、それに対するあなたの演技は変化しないといけません。
3、新鮮ではなくなるから
あなたのふだんの会話でもそうですが、相手の言った内容や、言い方、また相手の人としての性質によって、あなたはそれに毎回反応をして会話しているはずですよね。
【演技をなぞるという行為】は、リアルとは程遠い、陳腐なつまらない演技になってしまう最も大きな原因なのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
シーンの再現が不可能という事は、わかっていただけたと思います。
ではシーンの再現が不可能ならば、どう演じればいいのでしょうか?
答えは簡単です。それは
毎回新しい演技をすればいいのです。
もちろん、全く違った演技をやれといっているのではないのです。
それでも、やはり同じシーンを演じると、前に自分が演じた演技をなぞってしまう事が多いと思います。
そこでそのジレンマから脱出するためには、毎回新鮮に相手の事や環境に反応して演技をすればいいのです。
ただここにも一つの落とし穴があります。それは”お約束の演技”というヤツです。
お約束の演技をマネするなかれ
映像作品とか舞台とかを見てると、やたらお約束みたいな演技、演出があります。
例えば、"内緒話をする"シーンがありますよね。
こういうシーンでいつも思うのだが、みんなが居る前なのに、なぜわざわざ話し相手を呼び寄せて内緒話をするのか?
内緒話をしなきゃいけない程の話の内容なら、誰もいないときにすればいいのに。
だって怪しまれるでしょ?
また
刑事ドラマとシーンで、事件のあらましを話してる場面で、語り手以外が微動だにしなかったり、立ち位置が不自然だったり。
語り手のことを、みんなで行儀よく真っ直ぐ見つめて、話を聞いていたり。
特に二時間ドラマにお約束だらけ。
演出も、カメラも、マニュアルがあるのだと思います。
今日たまたまテレビで、倍賞千恵子さんが、渥美清さんや高倉健さんの事を
『あの二人は演技に贅肉が少ない』
と表現していました。
演出や演技が嘘くさいのは、余計な脂肪が多いんです。
しかも流行りの説明型の演技は、脂肪というより、重たい鎧を無理やりまとわされている感じがします。
観やすいから!ってのがいう理由だったとしても、もう少し工夫してもよさそうな気がします。
演技は自由なのに。
せっかく役者さんは生身の人間だから、演じるなら、もっと生身の人間であることを生かすべきです。
お約束をやりつづけてたら、新しい、良い作品は絶対に生まれません。
演技も同じで、見たことある演技をしてたら、いい演技は生まれません。
リアルな演技を目指すなら、絶対に現実にいる人をマネするべきです。
人は常に何かしています。
からだが動いています。
役者さんは話をしていない時の方が重要なんです。
話してないときでも、その人でなければならない。
その人が日常でやってそうなことをやりつづけなければならない。
それを、観やすいからとか邪魔にならないようにとか考えるからややこしくなるんです。
観やすさを気にするのは、演出や監督さんに任せましょう。
マネをするべきは、【演技】ではなくて【プロセス】
もしあこがれの役者さんみたいになりたいのなら、その役者さんがその演技をどう生み出したか?という部分をマネするべきです。
演技の内容(見た目やセリフの言い方)ではなく、その演技が生まれるまでのプロセスを真似すればいいのです。
プロセスとは、役作りと呼ばれるもの。
私が好きな役者さんのホアキン・フェニックスの凄さは、そのプロセスにあると思います。
- その役がどんな人物か?
- どんな行動をするか?
- どんな考え方を持っているのか?
という部分を考えて、それを自分の中に入れ込むのです。
ホアキン・フェニックスの『ジョーカー』を観た観るといい勉強になると思います参考にしてみてはいかがですか?
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