政治や世界情勢 映画レビュー

『チョコレートドーナツ』観客賞総ナメの話題作。

監督:トラヴィス・ファイン

脚本:トラヴィス・ファイン、ジョージ・アーサー・ブルーム

キャスト:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴァ、ジェイミー・アン・オールマン

概要(受賞歴等)

第11回トライベッカ映画祭観客賞、第38回シアトル映画祭観客賞、第48回シカゴ国債映画祭観客賞、第14回プロヴァンスタウン映画祭観客賞、第13回ウッドストック映画祭観客賞、etc.。

・簡単なあらすじ

監督のトラヴィス・ファインが1970年代に、ゲイの男性が育児放棄された障害者を育てたそいう実はから着想して脚本を書いて作品にした。

ゲイバーにてその日暮らしで日銭を稼いでいたルディは、自分のショーを見にきていた検察官のポールと恋に落ちる。ルディと同じマンションに住むダウン症のマルコの母親が薬物所持でつかまり、ほったらかしにされたマルコが町をさまよっていたところをルディが見つけて保護をする。それがきっかけで、法的手続きをとり監護者となったルディとポールでマルコを育てるという三人の暮らしが始まる。

しかし、ゲイであることに寛容ではない差別的な人物もいて、裁判沙汰になり二人とマルコは引き裂かれてしまう。それでも、マルコの為に二人は裁判を控訴するが…

・評価

★★★★★ (★5が満点)

・総合評価

感動できる作品。ストーリーも100分以内にまとまっていて、最後まで集中して観れる。

主役ルディを演じるアラン・カミングの歌も素晴らしい。

1970年代が設定になっているので、まだLGBTに差別が強い時代。その時代背景がきちんと表現されている。

・いい点

「ルディがとても心の強い人」という印象をうけた。

最初マルコをみつけて、どうしていいか困ったルディは前日に出会ったばかりのポールに頼ろうとするが、世間の差別にさらされ、さらにはポールにも一度拒否されてしまうが、それでも悲観しない強さを見せる。

マルコを演じたアイザック・レイヴァの演技も素晴らしい。

なによりこの作品が素晴らしいのは、LGBTとかダウン症などの、差別などを考えるきっかけになること。

・悪い点

一つ上げるとしたら、結末かなぁ。

・この映画から役者として学べるポイント

役者というより、障害者やマイノリティである人たちとどう向き合って、どう生活するかなどを考えられるところ。

ゲイの役を演じた二人の演じ方は参考になるでしょう。

最初やりすぎと感じたが、実際のゲイの人たちを参考に役作りをしているはず。見ているうちにだんだんルディがかわいらしく見えてくる。

ゲイの人を演じるのは、やりすぎるとただのコントに成り下がるので、実際のゲイの人を観察する必要がある。多分創造で演じると、やりすぎてしまう可能性がある。

・この映画からの応用ポイント

差別に対して後進国の日本では、こういったダウン症の人を役者として使用することにまだ多少抵抗があると思う。そして、障害者の人をいい意味でも悪い意味でも特別視

しているふしがある。そういう障害者との触れ合いが増えれば、そういった特別視が無くなって対等にふるまえるようになるはず。LGBTの方にたいしての向き合い方は、昔よりよくなっているから。ただ政治は遅れているけどね。

・類似作品との比較

「八日目」1996年 。内容は忘れた(泣)後日また観ます…

・この作品が好きな人にオススメの映画はこちら

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」2001年。もともとは舞台化が先。日本でも三上博史、山本耕史、森山未來最近では嬢王蜂のアヴちゃん( イツァーク役 )が出演している。

この作品の音楽がとても好き。The Origin Of Loveはしも含めて好きな曲。

(関連記事へのリンク)

日本でもダウン症でも活躍している人はたくさんいる。

金澤 翔子さん(書道家)

岩元 綾さん(作家)

高井 萌生さん(役者)

TBS系のドラマ「生まれる」にてダウン症の役を演じる。

越智 章仁さん(ピアニスト)

越智 章仁さんのMV

『チョコレートドーナツ』は

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