役者である以上、セリフの言い方を考えない人はいないと思います。
でも厄介なことに、台詞の言い方に正解はありません。
正解がないなら、どう言うべきか?
皆さんは、どう考えてますか?
”セリフの言い方”で考えなければいけないこと
私の場合は
- 何でその役はその台詞を言ってるか?
- その台詞を受けて、次の役者さんが台詞を言えるのか?
が一番重要だと思います。
”どう見せたいか?”とは考えてはいけません
”どう見せたいか”という考えること自体が間違っています。
それを考えるのは”演出の仕事”です。
セリフを言う場合に気を付けること
「あぁーお腹空いたなぁー」というセリフがあったとします。(例題がくそみたいなセリフですみません。)
お腹を抱えるジェスチャーと地面にしゃがみ込む動きをしたらアウトです。
そんなことやっている人、現実世界で私は見たことがありません。
これがダメな例。まぁ極端ですけど…。
🔵まず
- どこで言っているのか(人前か?自分の部屋なのか?仕事場?)
- 時間帯は?(朝か?仕事帰りか?)
- 誰と居るか?(一緒にいる人でも、言い方が変わると思います。一人か?)
例えば独り言だったら、
「お腹すいたなぁー」っていう状況を考えないといけない訳です。
ふっと漏れた言葉なのか?イライラのピークで言ってるのか?
誰かと一緒だったら、「早く飯を作れよ」という意味を含んでいるのか?
とか。
あと、「捨て台詞」ってもの私は"無い"と思います。
捨ててるとしても、捨ててる意味があるから。
ただの時間稼ぎで言ってるのか。
あいての様子を伺う為に言っているのか?
とか。
”見せる”ばかり考えると起きる落とし穴
見せることばかり考えると
台詞の意味が見え辛くなってしまいます。
そして逆に見せ方を説明し過ぎる、押し付けるのもよくありません。
そういうセリフの言い方をすると、そのセリフで状況を説明していることになるからです。
どう見えるか、感じるか判断するのは、お客さんの特権なので、それを奪ってはいけないのです。
大事なのは、”可能性を探る”こと
演技は決めつけてはいけないません。演出が変えないで!っていうまでは変え続けましょう。
そもそも演技は変えないようにしても、変わります。
”演技を変え続ける”というのは、時と場合にもよります。
殺陣とか、ダンスとかは、ゴールがあるし、変えたら怪我をしてしまうので、変えてはいけない演技です。
でも、微調整は毎回しているのではないでしょうか?
台詞の言い方は、毎回変えましょう。
そうしないと周りが変わっているのに自分だけ変わらない、という状況になります。
自分のセリフが浮きます。
何でその役が、その言い方でその台詞を言ってるかがわからなくなてしまいます。
そもそも同じことするなら、稽古なんて時間の無駄です。
だって同じことは、できるでしょう?
可能性を探らないと。
せっかくの稽古だもの。
最後みつをみたいになってしまいました。