お芝居を観ている時に
「トーンはリアルよりなんだけど、どうもあの演技が嘘くさい。」
「リアル風でしっかりやってると思うけど、リアリティーは…感じないかな」
感じることないですか?
そもそもリアリティーを追及しているのに、嘘くさく感じてしまうのはなぜなんだろうか?
この記事では、
- リアリティーの演技でやってはいけないこと
- やった途端にリアリティーが失われること
をお伝えしていきます。
リアリティーのある演技を目指すあなたには、きっと役立つ知識です。
リアリティーのある演技で重要なこと
先週、劇団員の影山さんの芝居を観てきました。
とても良い舞台でした。
まずストーリーが素晴らしかった。
そして役者さん達が、そのストーリーに余計なことを加えずに演じていたので、観ていてとても心地よかったのです。
その後、影山さまとお茶をしたときに、彼女は演技としてとても重要なことを口走っていました。
「ストーリーが素晴らしかったし、お客さんも必ず笑ってくれるシーンがあって。 毎回そのシーンで笑いが起きるので、笑いをとろうとする気持ちが湧いてきた」
でも影山さんは、その感情を抑える事に集中したようです。
実は、”笑わせてやろうという感情を抑えること”が役者の演技のリアリティーを表現するのにとても重要なんことなんです。
この
- 笑わせてやろう
- 泣かせてやろう
- いいシーンだからかっこよく見せよう
こういう感情は、ストーリーにて登場人物の感情ではなくて、演じている役者の感情なんですよね。
この役者自身の感情が役を演じる上で、一番リアリティーを奪う要因なんです。
役者の余計な感情が、リアルな演技を曇らせるわけ
役者が抱く、~してやろうという感情は、お話の登場人物が絶対に抱かないはずですよね。
登場人物に、観客なんていませんから、お客さんは関係ないんです。
例えばバスを待つ人の中に、観客(ストーリー上では存在しない)を笑わせようなんて思う人、リアル世界=現実で考える人はほぼいないはずなのです。
もしいたとしたら、サービス精神旺盛の人か、かなりメンタルが危ない人です。
リアルでは、観客はいないんですから。
役者は、普通でなくてはいけないんです。
異常なのは設定と、セリフだけでいいんです。(やる過ぎもだめですけどね)
そして、お客さんはそういった役者のエゴ(笑わせてやろう)を敏感に感じて見抜くのです。
怖いですよね~
ホントにすぐバレますもの。
もう一度言います。役者は、そのストーリーにただ乗っかればいいだけなんです。
ただし、条件として脚本が素敵でないといけませんけどね。
役者は脚本を信じて、 余計なことはしない!
これがとても重要です。
そして、とても難しいことなんです。
リアルな演技を目指すなら、セリフでも感情を乗せてはいけない
セリフでも一緒です。
セリフに感情を乗せようと考えるのは、役ではなくて、役者自身なんです。
余計な感情を乗せると、せっかくのセリフがぼやけてしまいます。
現実において、人が言葉を発する時は、
- 言っていることに感情を乗せよう
- この言葉で感情を伝えよう
と、言葉を発していることは”ほぼ”ないです。
人は感情ではなくて、思いや考えを説明するために言葉を使います。
この”ほぼ”ってところがいやらしいですよね?
人はごくまれに、感情をワザとのせて話している時もあるってことです。
ホントまれですけどね。
逆にへたくそな演技をするときは、思いっきりセリフに感情をのせて、オーバーリアクションで演じればへたくそになります。
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リアルを追求するなら、セリフに感情なんてのせる必要はない。
もしあなたが、”上手な演技””自然な演技”を目指しているのなら、今すぐセリフに感情を乗せようとするのは止めましょう 作品に登場するキャラクターには当然、喜怒哀楽という感情が出てきます。 ...
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