監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
キャスト:ホアキン・フェニックス、ジョナ・ヒル、ルーニー・マーラ、ジャック・ブラック
概要(受賞歴等)
なし
・簡単なあらすじ
マンガ家でありアーティストでありミュージシャンでもあった実在の人物ジョン・キャラハンがアルコール依存症の影響で飲酒運転による事故で四肢麻痺になり、そこから立ち直るまでを描いたお話。
救済や許しを通して再生していく作品。
・評価
★★★★★ (★5が満点)
・総合評価
ストーリーがもちろんの事、役者人の演技力が脱帽レベル。何よりセリフがいい。「無口なのは上から目線だから」とか、刺さるセリフも多かった。
主人公が事故により四肢麻痺になっているので、障害者を扱う作品だが、障害者でも健常者として扱っているお国柄なのかわからないが、日本では考えられないなと思った。対等であるのが素晴らしい。
・いい点
何がすごいって、初見で主役を演じている役者が、ジョーカーを演じていて、her/世界でひとつの彼女で主役を演じている役者とイコールにならなかった点。演技力が素晴らしい。
別の機会にホアキン・フェニックス特集の記事を書こうと思う。
個人的な意見として、ルーニー・マーラがとにかくかわいい。
・悪い点
過去と現在とが入り乱れるから、どの時点の話なのか分からなくなる可能性もある。
・この映画から役者として学べるポイント
学べる点は、ホアキン・フェニックスの演技でしょう。
相当研究して演じていると思う。
観察して勉強して、自分に落とし込んでいるのでしょう。
そして四肢麻痺でなくても、感情表現のリアルさがとても見ていてすっきり入ってくる。
まず観察することが大事。
ホアキンは当時ジョンの事を全く知らなかった。そこで演じるにあたって、ジョンの本や絵をみてジョンの事を内面を知り、病院に通って車いすの扱い方の研究をした。こういった観察や知識の上にあの演技が成り立っている。そして学んだだけでなくて、自分の中にしみこませているから、あのリアリティーのある演技ができるのだ。だから自分もああいう演技をしたいならば、映画の演技をマネするのではなくて、あの演技が生まれるに至った過程をマネして、演じる内容はあなたというフィルターを通して演技を生み出さなくてはならないのです。
・この映画からの応用ポイント
応用できるとすれば、まずホアキン・フェニックスが演じるために観察したという事に尽きる。
そしてもう一つ注目してほしいのは、セリフが流暢ではないという事。
人間の言葉は決して流暢ではないんです。整っていないのです。きれいではないのです。
きれいでないことが、作品としてのリアルさと美しさを生み出すんですよね。これが大事。
・類似作品との比較
「最強の二人」:四肢麻痺の主人公の話。(見たことあるが内容は覚えていない)
「こんな夜更けにバナナかよ」筋ジストロフィーに患った主人公の話。(実はまだ見たことない)
・この作品が好きな人にオススメの映画はこちら
「her/世界でひとつの彼女」ホアキン・フェニックスが主演の映画。主人公と仮想世界のAIとの恋愛を描いた作品。恋人がAIというデジタルな存在にも関わらづ、きちんと恋愛作品になっているんだよね。