映画『ジョーカー』にてアカデミー主演男優賞を受賞。名優としての名声を手にしたホアキン・フェニックス
この記事ではホアキン・フェニックスの壮絶な生い立ちと、彼が出演した作品の紹介、まら役者である自分が見て、演技の参考になるだろう役者さんにこそ見てほしい作品を紹介した行きたいと思います。
もちろん役者ではなくて、”大の映画好き”の方にも参考になる記事です。
✅自己紹介
役者を17年やっている。劇団の座長を務める傍ら、ブログでお金を稼ごうと日々奮闘中。今は筋トレで体を鍛えつつ、英会話を勉強。ゆくゆくは海外で演技の勉強をするという野望がある。日々切磋琢磨中。
Contents
ホアキン・フェニックスの生い立ち
ホアキン・フェニックス一家は芸能一家です。
兄のリバー、姉のレイン、妹のサマーとリバティーの五人兄弟で五人とも役者として活躍しています。
幼少期~兄のリバーフェニックスがスターにる
彼の両親は若かりし頃ドラックにはまり、そのドラックから抜け出すために「神の子供たち」(カルト宗教)に入信した。その当時は教団もおかしな集団ではなかった。しかし子供をもうけ、ホアキンが3歳の頃、彼の両親は、「神の子供たち」がカルト宗教化した為教団から脱退する。
その影響で、一家は貧しい暮らしを余儀なくされる。
※当時、このカルト宗教が原因でリバーフェニックスは10歳で童貞を失っていたという
日銭を稼ぐために、子供たちは路上でパフォーマンス等を行っていたが、リバーがCMに出演して事をきっかけにして、テレビ関係者の目に留まり、その後長男のリバーは名作『スタンドバイミー』で一躍時の人となる。またホアキン以外の兄弟も俳優業をこなすようになります。一方ホアキンはというと、父親と一緒に南米を飛び回っていたそうです。
またホアキンの兄のリバーフェニックスは『旅立ちの時』などでアカデミー助演男優賞にノミネートされるほどの役者に成長します。
ショッキングな出来事。兄のリバーの急死
しかし、ホアキンが19歳のある日ショッキングな出来事が起こる。
それは兄のリバーが若くして1993年のハロウィンの夜に23歳でこの世を去ってしまうのです。
死因はドラッグの大量摂取による急死。実はその倒れた瞬間に、ホアキンフェニックスもその場にいて、ホアキン自身が警察に通報しているのです。その当時の音声が数週間にわたり報道されたそうです。
それから二年後ホアキンは『誘う女(1996年公開)」で本格的に俳優業に復帰。俳優業に専念するようになります。
ホアキン・フェニックスが役者として活躍し始める
『Uターン』1998年(23歳)で
クロトゥルーディス賞助演男優賞ノミネートされます。
更に26歳の時『グラディエーター(2000年公開)』の17代ローマ皇帝コモドゥス役で注目されます。
また彼は、役に陶酔するタイプの役者のようです。
それはこの『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』という作品でのエピソードからわかります。
この映画はミュージシャン:ジェニーキャッシュの半生を描いた作品。
ジェニーキャッシュは幼いころ出来のいい兄がいて、彼を慕っていたが、幼き頃に彼を事故で失っている。
その後大人になると、ミュージシャンとして成功。妻と子供を持つが、ライブツアーにて、劇的な出会いを果たす。それがのちに妻となるジューンカーターである。
ジェニーキャッシュがジューンと出会い、彼女と結ばれるまでを描いた作品。
ジェニーキャッシュは一時期アルコール依存症に陥りその延長戦上にてドラック常習者になってしまう。それを支えたのがジューンでもあった。
ホアキン・フェニックスはこのジェニーキャッシュという人物を演じ切り、劇中歌も彼がすべて担当した。
この作品でホアキン・フェニックスはゴールデングローブ賞主演男優賞を取るが、役作りの為に彼自身もアルコール依存症に陥っていたため受賞直後に施設に贈られることになります。
また彼の破天荒さを象徴する出来事もあります。
彼が破天荒といわれるゆえん。突然の俳優活動からの引退宣言
それは2008年かれは突然俳優を止めてミュージシャンになると宣言し俳優業界から姿を消します。
そして彼は激太りし、彼の言動がおかしくなり、薬物中毒ではないかとうわさされるほどでした。しかし実査ふたを開けてみたら『容疑者ホアキン・フェニックス』(2012年公開)でのパフォーマンスの一環だとわかります。
当時は彼に騙されたとしてかなりブーイングが殺到したそうです。
ファンから怒りを買ったこの作品は鳴かず飛ばずで数年で配給権を喪失します。
(ジョーカーの大ヒットにより配給権が復活DVDも制作されたようです)
しかしその二年後38歳で出演した『ザ・マスター』(2013公開)での演技で大絶賛されます。
また39歳の時に主演した映画『her世界でひとつの彼女』(2014年公開)にて現在の奥さんとなる(予定?)のルーニマーラと出会います。
ルーニーマーラ超絶可愛いですよね。(個人的な意見です)
名作『ジョーカー』にてアカデミー賞主演男優賞を受賞
2019年の『ジョーカー』では役作りの為当時82㎏だった体重をわずか4カ月で58㎏まで落としたそうです。そのダイエット方法は“1日1個のリンゴを食べるだけ“という無茶なダイエットだったようで医者にも散々注意されたそうです。ですがその役に対するストイックさは素晴らしいとしか言いようがありません。
あの故ヒースレジャーの演じた『ダークナイト』(2008年)のジョーカー役を超えたのではといわれるほどの熱演でした。
彼のトレードマークである口元の傷は生まれつき「口唇口蓋裂」という上唇と口蓋が割れている病気の手術の名残です。
また彼は完全なる菜食主義ヴィーガンでもある。
どう見ても本物にしか見えない程役に陶酔する彼の演技はリアリティさは絶大です。
では彼の出演作品を紹介していきます。
ホアキン・フェニックス出演作品
◆『スペースキャンプ』1986
NASAでの宇宙飛行士体験プログラム「スペースキャンプ」にて、エンジンテストを体験中に誤ってシャトルが発射してしまう。船内には小学生~高校生の子供5人とシャトル搭乗経験のない女性宇宙飛行士のみ。わずかな燃料と食糧で地球へ帰還するまでの物語。ホアキン・フェニックスは当時リーフ・フェニックスの名で出演。
◆『ランキーズ』1987
ネット情報なし。詳細不明
◆『バックマン家の人々』1989
バックマン一族の日常を綴ったハートウォーミングなファミリーコメディー映画。 ☆おすすめ
バックマン家の4兄弟がそれぞれ家庭をもち。その中で起きる家族の衝突を乗り越えていく物語。
沢山の登場人物がいるがそれぞれきちんと見せ場のある脚本で、なのに余計なモノが無いのが素晴らしい。
登場人物が多いから、ごちゃごちゃになりそうだが、きちんとまとまっている。そしてテーマが"家族"にきちんとなっている作品。
脚本がしっかりしているから、映像の作り方に古さは感じるものの、最後まで楽しめる作品。
若かりし頃のキアヌ・リーブスとホアキン・フェニックスが出ています。ホアキン・フェニックスが可愛らしい。
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◆『誘う女』1996年公開
☆あらすじ
天気番組のキャスターであるスーザン(ニコールキッドマン)は有名になることが人生の最大の目標。しかし彼女の夫はそれをよしとしていなかった。そこで彼女は未成年の男子高校生を色仕掛けで誘惑。彼に夫の殺害をさせてしまう。夫の両親はスーザンに復讐するために殺し屋を雇い彼女を殺害させる計画を立てる。
この作品は1990年に実際に起こった事件【当時22歳の女性が15歳の少年を誘惑して自分の夫を殺害させる】を元にして制作された作品。
◆『秘密の絆』1997
恋人の兄と寝てしまった女子高校生の苦悩を描いた作品。ジャンルはラブストーリー。
あらすじ
パメラは、三姉妹の末っ子。彼女は、高校の同級生のダグに恋していが、ダグの兄のジェシーと関係を持ってしまう。それはタグがアボット家(パメラ一家)に恨みをいだいていたため、アボット家に復讐をするために、パメラをベッドに誘い関係を持ったのである。パメラは好きではない男と関係を持ったことに後悔するが、さらなる悲劇が起こる。
Inventing the Abbotts(秘密の絆)
◆『Uターン』1998
サスペンススリラー。オリバーストーン監督作品
あらすじ
主人公のホビーはマフィアに借金を返すため車を運転中。しかし途中で車はエンストしてしまう。仕方なく近くの村を訪れるのだが…。
そこには美しい人妻グレイスと横暴な夫ジェイクにであう。村の人々はよそ者であるホビーを毛嫌いし、嫌がらせまでする始末。
そんなあるときホビーはジェイクに妻のグレイスを殺害してくれと依頼される。ところが実はグレイスにも夫であるジェイクを殺害してとの依頼を貰っていた。
DVD版
◆『リターン・トゥ・パラダイス』1998
あらすじ
ジョンはマレーシアを訪れる。そこでルイスとハーバード大佐と意気投合。そしてその後5週間にわたって、酒と女と麻薬に溺れた生活を送る。
その後ジョンは帰国をするが、ある日ジョンの基に一人の女性弁護士が現れる。彼女が言うにはルイスが役の売人の容疑で捕まったとのこと。(実際は謝って逮捕された)
そこで、このままルイスを掘っておけば彼は売人の罪で死刑。しかし共犯者であるジョンとハーバード大佐が出頭すれば、3人それぞれ3年の実刑で済む(二人のうち一人が出頭したら、二人で6年の実刑)死刑執行まであと8日。友人を見殺しにするのか?恐怖と罪悪感にさいなまれたジョンの出した結論は…
◆『ムーンライトドライブ』1998
あらすじ
夏のある日。モンタナのスモールタウンで殺人事件が起こる。クレイが殺人容疑をかけられ、性悪な未亡人に付きまとわれます。クレイは親友のアールは妻であるアマンダとクレイが不倫関係にあるという疑惑を持ち、それが原因でクレイに殺されたように見せかけた自殺をします。そのせいでアマンダにしつこく付きまとわれる状況に陥ってしまいます。その時彼の前に現れた妙な男レスター。彼は実は友情を大事にするシリアルキラーだった。
主人公のクレイを演じるのがホアキン・フェニックス。
◆『8㎜』 1999
あらすじ
死んだ富豪の金庫から、少女が大男に切り刻まれり習慣が撮影されたフィルムが発見される。私立探偵であるトム・ウェルズがその富豪の奥さんからの依頼で、そのフィルムの真相に迫っていく。
その捜査の途中で、アンダーポルノに詳しいマックスに出会い協力してフィルムの撮影者を追いかける。
感想
サスペンスドラマでとても暴力的な描写が多い作品。面白いかは微妙。それは主人公の心情が理解できなくて部分があるため共感できないから。なぜそこまでこの事件に執着するのか不明。ただマックスを演じているのがホアキン・フェニックスの怪しさはいい。最後のオチも奇をてらったように感じるが、”?”が出てしまう。
DVD版
◆『グラディエーター』2000
あらすじ
帝国ローマ時代中期を舞台とした作品。ラッセル・クロウ演じるローマ軍将軍マキシマスが皇帝アウレリウスと皇帝コモドゥスとの確執に巻き込まれ家族を失い、自身は奴隷の身分まで落とされたしまいます。コモドゥスへの復讐を誓い、グラディエーター(剣闘士)として名を挙げていく作品。
この宿敵であるコモドゥスをホアキン・フェニックスが演じています。彼はこのコモドゥス役の演技で高く評価されるようになります。
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◆『クイルズ』2001
あらすじ
サディズムと言う言葉の起源となったサド侯爵の晩年を描いた作品。わいせつ文章を広く配ったことによる罪でナポレオン体制下の警察に捕まって精神病院に収容されたサド侯爵。彼は金の力を使い、施設で自由を手に入れ、更に執筆活動も許される状態に。やがてその書物は世に出回るようになる。
サド侯爵の書く事に対する執念を描いた作品。
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◆『裏切り者』2001
あらすじ
友人をかばって刑務所で服役していた主人公。ようやく出所する彼は、今度こそ女手一つで育てたくれた母親に恩を返そうと一生懸命働こうと心に決める。彼のおじさんが経営する会社で働くことを決めるレオ。ところがそこで悪友のウィリーの姿もあった。そして仕事場である入札現場に赴くとそこは不正の温床になっていた。さらにウィリーに利用されて彼の犯した殺人の罪を擦り付けられる羽目に。そこで叔父に助けをこうが、自分の身可愛さに、レオを裏切ってしまう。
数々の人に裏切られた彼は、裏切者たちに復讐を誓うのであった。
◆『サイン』2002
妻の事故死をきっかけに牧師の仕事を止めた主人公グラハムは、弟のメリル、そしてグラハムの子供二人と静かに暮らしていた。ところがある日を境に不思議な怪奇現象に襲われるようになる。犬の暴走。ミステリーサークルなど。家の周りに室出没する目に見えぬ存在。そして彼らの残していくサインの意味とは?
◆『戦争のはじめかた』2001
1989年ドイツ。米軍基地に駐在する暇を持て余した兵士たちの物語。主人公のレイは補給隊。送られてくる物資を横流ししたり、薬物を製造販売を行っていた。その事を上官は気づいておらずやりたい放題。そこへ厳格なリー軍曹がやってくる。
ホアキン・フェニックスは主人公のレイを演じている
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◆『ブラザーベア』 (声優といて)2004
あらすじ
はるか昔の物語。マンモスが存在し、精霊の力が信じられていた。狩り民族イヌイットで三兄弟の末弟である主人公のキナイは、成人を迎えた。あるひ三兄弟がクマに襲われ、長男が弟二人をかばって命を落としてしまう。復讐にもえるキナイ。かれはそのにっくき熊を退治することに成功するが、長男が精霊となり彼をクマに変えてしまう。クマになってしまったキナイの人間へ戻るための冒険を描いた作品。
◆『ヴィレッジ』2004
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◆『炎のメモリアル』2005
◆『ウォークザライン 君につづく道』 2006
2006年ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)
この作品の主人公は、死ぬまでにヒット曲を140曲も作り上げたジョニーキャッシュという世界的なミュージシャンをホアキンフェニックスが演じています。
この作品では、もちろんライブシーンがたくさん描かれています。その全部をホアキンフェニックス自信が歌っています。その歌唱力もとんでもないです。
また、このジェニーを演じるにあったて、ホアキン自身もアルコール依存症に陥ってしまいます。とんでもないのめり込み方ですよね。どこまで演じる役を自分の中にトレースしているのでしょうか?恐怖すら感じます。
この作品で感じたのは、ジェニーキャッシュの危うさと怪しさが、ホアキンが演じることによって際立っている点です。アルコール依存症や薬物中毒者の異質な雰囲気を表現できていることにワクワクさえします。
◆『ホテルルワンダ』 2006
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◆『帰らない日々』2008
◆『アンダーカヴァー』2008
◆『トゥーラバーズ』2008
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◆『容疑者ホアキン・フェニックス』2012
◆『ザ・マスター』2013
2015年ベネチア国際映画祭 ボルピ杯(最優秀男優賞)
この作品は、自分にはよくわからなかった作品です。
主人公のフレディを演じるホアキンフェニックスと「ザ・ゴーズ」という宗教団体のマスターと呼ばれる(教祖のようなもの)であるドットとの交流を描いた作品。
主人公のフレディは、第二次世界大戦だの兵士だった男。戦争が終わるが、戦争の後遺症があるのかやや性格に難がある。日常生活に戻っても彼はうまく生きていけない。またアルコール依存症でもある(こういう役ホント多いですよね。)。そんな彼は自作でお酒を造ったりしていた。その自作のお酒を投じ働いていた農家での飲みの席で、ある老人に振舞う。するとその老人は命が危険な状態になってしまい。フレディは逃げ出すようにその場所を立ち去る。最悪の人生。
そんな時トッドに出会い。彼によってフレディは救われる。しかし暴力的な性格が災いして度々問題を起こす。
まぁこんな感じのお話です。演技に関してはフレディ演じるホアキンフェニックスとマスターであるトッドを演じるフィリップシーモアホフマンの演技合戦といったところだろうか。ところどころで見せる二人のやり取りが意味不明なのですが、迫力はあります。思わず笑ってしまう個所もあるでしょう。
ただ全体的に見て、精神世界の話や前世の話なども盛り込まれるので、難しい内容となっています。
ただ二人の怪演を観たい人はぜひとも見てみてください。
◆『エヴァの告白』2014
◆『her/世界でひとつの彼女』2014 ☆おすすめ
主人公のセオドアを演じています。
セオドアは妻とも別れ、孤独を感じて生きていました。
そんなとき彼は最新式の人工知能を搭載したOSを購入します。そのOSをインストールするところからこの物語は動き出します。その人工知能の名はサマンサ。次第に成長していくOS。時に優しく時にユーモラスに、まるで本物の人間とコミュニケーションをとっているような感覚に陥っていきます。セオドアは徐々に心をゆるしていき、次第にサマンサに人工知能という枠を超えて人間の女性と同じような存在として惹かれていきます。その過程を丁寧に美しく描いています。人工知能OSと恋愛をしていくお話。生身の存在ではない人工知能との恋愛という、とてもロマンチックでそしてちょっぴり切ないお話です。
この映画の監督・脚本を務めたスパイクシューズはホアキンの演技についてこう語っています。
「彼(ホアキン)に質問すると、どうやって演技をすればいいのか本当に分からないと答えると思うんだ。彼は、謙虚になってそう言うのではなくて、本当に分かってないんだよね。彼は、演技をする時に自分の持っている知識を使って、役にアプローチしたりしない。彼は、常に暗闇の中を歩き回っているようで、自分が何をやっているのか分からなくて、いつだってナーバスになっているんだ。それを傍で見ているのは中々恐ろしいものなんだけどね。でも、彼はその恐怖感を常に持っているからこそ素晴らしい役者なんだと思う。彼は、『うん、僕にはこれが分かっているし、やったことあるから簡単だ』という感じでは絶対にない。自分にはそれができると思っている瞬間というのがまるでないんだ。彼はその時自分が何を正しくて何が間違っているのかを感じるその本能にのみ頼って演じているんだよね。彼は何かを分析して演技をすることがまったくないんだ」
引用:TVGROOVE.com より
自分も役者をやっていて、ある瞬間を自分の今までの経験から似た感情を導き出してトレースすることが多いと思います。だから何のプランもない状態で演じることの怖さはわかります。彼のやっているこはとんでもないです。
でもリアリティーを追求した演じ方の一つである“ライブ感を出す”にはとてもいいアプローチ方法かもしれない。
この映画では常にスカーレット・ヨハンソンは声だけでサマンサを演じています。つまり相手の映像がないという状況で主人公のセオドアを演じているホアキン・フェニックスの演技は必見です。自分の相手が音声だけって演じるのにとてもハードルが高いシチュエーションです。役者をやった事がある人ならわかると思います。
実際に演じるときは、声だけではなく相手の表情や目を見るし、相手の気配を感じながら演じているはずです。相手が声だけであることはとても集中力が必要なはず。とんでもないですよ。これは。
その演技力は、ジョーカーを演じた役者さんと同じとは決して思えません。それほどの演技です。
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◆『インヒアレント・ヴァイス』2015
あらすじ
ヒッピーで薬物の常習者である探偵ドッグが元恋人であるシャスタからの依頼で、シャスタが現在愛人をしている不動産王の悪だくみを暴いていくというお話
感想
とても難解なストーリー。探偵ドックが謎を追っかけた行くのだが、彼の思考や思想がよくわかりません。薬物中毒だからなのかわかりませんが、よくわからない。ただ行動が突飛で、笑ってしまうシーンもちらほら出てくる。役者として心躍るシーンがたくさんあります。
ただやはり意味不明感は否めない。
演じている役者さんはとても楽しそうに演じているのだろうと感じる。
観方としては、あまり理由とか思考とかを詮索しないで映像として楽しむといいかもしれない。ブラックコメディーになるのかな。
主人公のトッドを演じるのがホアキン・フェニックスです。
批評家の支持率がとても高い作品です。自分には難しい作品でした。ただホアキン・フェニックスの怪技を見るのならこの作品はうってつけなのかもしれません。そういう意味だと『ザ・マスター』に似ているのかもしれません。
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◆『教授のおかしな妄想殺人』2016
人生にて喜びや情熱を感じていない哲学者の教授エイブをホアキンフェニックスが演じています。
エイブは、人生に生きがいを感じていません。そんなあるとき、あるお店で食事をしている時に後ろの席で会話する内容に耳を傾けます。その話の内容は“ある不快な判決を導き出した判事”のお話でした。
そこでエイブはその判事を完全犯罪でもって殺人を犯すという“妄想”をします。するとその瞬間から彼の人生は味気ない灰色の世界が一転、色彩鮮やかな色を持ち始めます。
またそれと同時に、生徒であるジルと恋愛関係になります。
次第に妄想が大きくなっているエイブ。そこで生まれたどす黒い感情はやがて彼をある行動に駆り立ててしまいます。その行動によって更なる生きがいを得ることが出来たのだが…
このいかにも怪しさ満点の哲学者エイブをホアキンが演じることによって、怪しさを余すことなく発揮できています。役へののめり込み方が半端ではないですよね。
作品自体はそんなに評価はされていないが、ホアキンフェニックスが好きな方にはぜひ見ていただきたい作品の一つです。
◆『ゴールデン・リバー』2019
あらすじ
名うての!殺し屋シスターズ兄弟(原題シスターズブラザーズ)。彼らの雇い主からある男を探して殺すよう命じられる。そのある男とは科学者で、川の砂金を取るのに、一度川に撒くと黄金が光り輝き、川のどこに存在するかを一発で見分ける、黄金を光り輝かせられる薬品を開発していた。また兄弟より先に雇い主から依頼され、先に探しに行っている連絡役の男。
科学者と先に出会う連絡役の男。捕まえるはずが、科学者の輝かしい未来展望の話に感化され、意気投合する。
弟はやんちゃ坊主。酒で二日酔い。女好き、喧嘩もしょっちゅう。そんな弟に手を焼いている。しかしやんちゃな弟をけして見放さない。それは幼き頃のある出来事が原因。
シスターズ兄弟は、先ゆく二人に追いつくが逆に捉えられてしまう。
しかしある理由でシスターズ兄弟を追ってきた殺し屋軍団が…。四人で結託。見事ピンチを切り抜ける。意気投合する四人。
黄金採取の薬品も完成。いざ試してみると川の中で砂金を含む石がものの見事に黄金に輝く。テンションが上がる四人。ところが弟のがとんでもない事をしでかしてしまう。
それによって組織から追ってに命を狙われる羽目になる兄弟。彼らに幸せは訪れるのか…
前半登場人物の紹介がてらのシーンが多いので少し退屈だが、四人が鉢合わせしたあたりからかなり面白くなってきます。
四人の演技特に兄弟を演じるジョン・クリストファー・ライリーとホアキン・フェニックスの演技が素晴らしいです。
リアルな演技の基本といえるのが、人は常に動き続けている。
そして、会話のシーンのシチュエーションがおかしくないという点。
よく日本のドラマだと、あり得ないシチュエーションで会話をしています。道端での大声での会話とか。きれいすぎる部屋にいるのだが、ただ何もしていない状態での会話。普段、ただ部屋にいることなんてないですよね。
ドラマだから解かりやすくしているのかもしれませんが、そういったものがないのがいい。
「いやいやいや、このシチュエーションあり得無くない?」
という余計な思考が生まれないのがいい。
映画のジャンルにもよるかもしれないが…
作品の話に戻ると
後半の衝撃的なストーリー展開は読めないでしょう。最初の暴力的な演出からは考えられないラストに向かっていきます。
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◆『ドントウォーリー』2019 ☆おすすめ
以前レビューを上げているのでこちらも見てみてください。
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『ドントウォーリー』実在の人物を描いた作品。ホアキン・フェニックスがスゲー
引用:Yahoo!より 監督:ガス・ヴァン・サント 脚本:ガス・ヴァン・サント キャスト:ホアキン・フェニックス、ジョナ・ヒル、ルーニー・マーラ、ジャック・ブラック 概要(受賞歴等) なし ・簡単なあ ...
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この作品で、これから奥さんになるであろうルーニーマーラの共演をしています。(初共演は“her/世界でひとつの彼女”)
この作品でのホアキン・フェニックスの演技力も素晴らしいです。四肢麻痺を演じているのですが、本当にそう見えるからスゴイ。実際に四肢麻痺の方に合って観察、研究しているのと思われる。
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◆『ビューティフルデイ』2018 ☆おすすめ
2017年カンヌ 男優賞
幼いころの虐待のトラウマがある主人公(ホアキン・フェニックス)。彼は人探しの仕事を請け負って生活している。彼の特徴は、仕事において人を殺めることにも躊躇しない。そして時折彼を、彼のトラウマの映像がフラッシュバックする。そして老いた母親と二人暮らし。
そんな主人公がある政治家の娘を探す仕事を受けるところから話が始まる。
この映画の特徴はなんといっても“とてもセリフが少ない”ということ。当然淡々と物語は進んでいくのですが、カメラワークとカット割りの多さ、そして音楽によって退屈さを感じさせない作品。むしろセリフがないことによって主人公の葛藤や残虐さ、切なさが表現されている。それが美しくもある。
映画としてとてもいい作品。映像であることを最大限利用していると感じた。
ホアキン・フェニックスはこの作品で、口数が少なく体格が少し太めの中年男性を演じています。更に豊の髭も蓄えている。更に演出なのかわからないが、彼の歩くスピードは常にどんな時でもとても遅い。この牛歩であることがホアキンが演じている役の残忍さをうまく表現している。
作品によって、話し方や癖、そして体格までも変えてくる彼の役へのアプローチ方法の凄さが分かる作品。
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2020年アカデミー賞主演男優賞 ゴールデングローブ賞 最優秀主演男優賞 作品
VODでホアキン・フェニックス出演作品を見る
収集する方はDVDやBlu-rayを買ってみるのもいいですが、やはりお得にいつでも見たいという方はやはりVOD(動画配信サイト)に登録することをおすすめします。
映画以外にもアニメやドラマなどがみられるVODは、今やだれもが登録していると思います。そこで、ホアキン・フェニックスの映画作品がどの動画サイトで見られるかまとめてみました。参考にしてみてください。
表)ホアキン・フェニックス出演作品が見られる動画配信サイトを比較
〇=見られる △=別料金がかかる ×=見られない
U-NENT | amazonプライム | Hulu | Netfrix | |
スペースキャンプ | × | × | × | × |
ラスキーズ | × | × | × | × |
バックマン家の人々 | × | △ | × | × |
誘う女 | × | △ | × | × |
秘密の絆 | × | × | × | × |
Uターン | × | × | × | × |
8㎜ | × | △ | × | × |
リターン・トゥ・パラダイス | × | × | × | × |
ムーンライトドライブ | 〇 | × | × | × |
グラディエーター | 〇 | △ | × | 〇 |
クイルズ | × | △ | × | × |
裏切者 | × | △ | × | × |
サイン | 〇 | △ | × | × |
ブラザーベア | × | △ | × | × |
ヴィレッジ | 〇 | × | × | × |
戦争のはじめかた | × | × | × | × |
炎のメモリアル | × | × | × | × |
ウォークザライン 君につづく道 | 〇 | △ | × | × |
ホテルルワンダ | × | × | × | × |
帰らない日々 | × | × | × | × |
アンダーカヴァー | 〇 | △ | × | × |
トゥーラバーズ | × | △ | × | × |
容疑者ホアキン・フェニックス | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ザ・マスター | 〇 | △ | × | × |
エヴァの告白 | 〇 | △ | × | × |
her世界でひとつの彼女 | 〇 | △ | × | 〇 |
インヒアレント・ヴァイス | 〇 | 〇 | × | × |
教授のおかしな妄想殺人 | 〇 | 〇 | × | × |
マグダラのマリア | × | △ | × | 〇 |
ゴールデン・リバー | △ | △ | × | × |
ドントウォーリー | × | 〇 | × | × |
ビューティフルデイ | 〇 | 〇 | × | × |
ジョーカー | △ | △ | × | 〇 |
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本ページの情報は20年10月時点のものです。
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U-NEXTについてはこちらのサイトを参考にしてください。
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AmazonビデオかU-NEXTの二択になるでしょうが私はU-NEXTをおすすめします。
まとめ
役者であるあなたにはぜひともホアキンフェニックスの演技を見てほしいと思います。
彼の演技の凄さは映画を一本観ただけではわからないでしょう。
役によってこれほど人が変わってしまう彼の演技に興奮が止まらないでしょう。
是非とも見てください。
手軽に見るのなら、VODをおすすめします。