映画「ノマドランド」のあらすじと評価
基本情報
監督:クロエ・ジャオ
脚本:クロエ・ジャオ
ファーン:フランシス・マクドーマンド
デヴィッド:デヴィッド・ストラザーン
リンダ:リンダ・メイ
スワンキー:シャーリーン・スワンキー
ボブ:ボブ・ウェルズ
受賞歴
2021年第93回アカデミー賞、作品賞、監督賞、主演女優賞を受賞監督:
あらすじ
主人公は夫を亡くし、夫の好きだった村に住みついていた女。
村の産業が無くなり廃村と郵便番号もなくなった。
彼女は家を離れ放浪することを決める。
放浪者が集まる集落があるそこでは色んな人とであう。
共通するのは、自由ではなくて、なにがキズを持っていること。
そこで出会った夫人は、余命いくばくもないことを告げる。
主人公も自分は夫を亡くしたことを伝える。もっと何かしてやらのでは?
もしかしたら彼の命を安楽死として終わらせた方が良かったのでは?
そんなことはないあなたは精いっぱいやったよ。
彼女ともわかれ、主人公は仕事を探しながら放浪する。
この作品は、「死」と「人」とのかかわり方だテーマ
どうやって愛した人の死と向き合うか?
それが、登場人物によって少しづつ違うように感じる。
主人公は、それぞれの「死」との付き合い方、そして彼らの考え方を目の当たりしながら、夫の死と向き合っていく。
途中、2度、家にとどまるよう誘われる場面がある。
彼女なりの考え、そして彼女の内面までしみ込んでいた亡き夫の存在を再認識するのであった。
最後は、あなたは精いっぱい尽くしてといってくれた夫人の好きな「石」を火にくべるシーンと、放浪する主人公のシーンで終わる。
映画「ノマドランド」実際に観ての感想
評価
★★★★★ (★5が満点)
感想
いい点
派手なエンターテイメントな映画ではない。とてもリアルに、淡々とドキュメンタリーのように描かれていく。
それが嫌いな人もいるかもしれない。
実際、最初の方は観ていて眠くなる瞬間もあった。
しかし主人公の背負っているものの話が絡んできたあたりから、映画にのめり込んでいけた。
魅力的なリアルな登場人物、そしてその人物たちがそれぞれ「死」とどう付き合っていくか、どう付き合ってきたのか。
それぞれの考え方や思いが、主人公にも観ている自分にも、日があたるように温かく差し込む。
それでも主人公は、「夫の死」と寄り添う時間が長すぎたという。
悲しいけど、きっと彼女は満足はしていないかもしれない、公開もしてて、だからこそ放浪の旅に出たのです。
彼女が出した答えを、映画館でぜひとも見て欲しい
身近の人を亡くした人はこの映画を見ると救われる部分があるかもしれない。
悪い点
少々映画が長いと感じたが、それくらいしか悪い点は思いつかない。
この映画から役者として学べるポイント
こういう人間ドラマを描いた作品は、邦画の同じようなジャンルと比べて、洋画はカット数が多いように思う。
カット数が多いおかげで、物語は丁寧にたんたんと流れるのだけど、観ている人を飽きさせない工夫をしているのだと感じる。
この映画もそうなのかはわからないが、邦画と洋画(ハリウッド作品とか)は使っているカメラの台数が違うらしい。
つまり、同じシーンを一度の演技で別々の角度から撮影できるのだ。
日本の場合、カメラが一台しかない。
すると、カットを割る場合に、役者さんは同じ演技を何度もする事を望まれる。
これが、演技の質を落とす原因になるのだが、そういうことはあまり考えていないのだろうか?
この映画からの応用ポイント
監督が現地の素人を使って撮影したそうです。
その為か、とても演技が自然なのです。
主演のフランシス・マクドーマンドのナチュラルな演技を引き出すトリガーの役目を果てしているのかもしれない。
リアルな演技は、やはり心を揺さぶる。
類似作品との比較
ロードムービーとして
『ノッキンオンヘブンズドア』
と比較してみましょう。
この『ノッキンオンヘブンズドア』映画は(邦画リメイクがあったようだけど、絶対に観ない!!)自分がとても好きな映画です。
この映画はロードムービーなんだが、ちょっとファンタジーなのです。
スタイリッシュで、その中にリアリティも感じるのです。
『死』にかっこよさも感じるかも知れない。
『ノマドランド』は、地に足が付いた、というか気負いが全くない映画。
こうしてやろう。こう取ってやろうという雑念を感じないのです。
『死』を優しく包んでいる感じ
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